もっと分厚い感じで読みたかったグラスホッパー

陽気なギャングを読み終わり、次に手に取ったのがグラスホッパー

殺し屋たちと妻の復習をしようとする一般人「鈴木」が交錯していく物語。

鈴木を中心として殺し屋たちの物語は繋がっていき、鈴木は自分の周りで何が起こっているのか気づかずに非日常の世界にどんどん進んで行く。



他の作品よりも表現が写真的で、重いカットを繋いでいるような感じなのだけど、

それなのにカット一つ一つの言葉の選び方が淡々としていて、無機質な印象もある。

そして、そこに鈴木が間の抜けた感じで存在するから変な日常感が生まれてる。



物足りなかったのは最後があっさりだったところかな。

もっと分厚い本で読んでみたかった。

終盤の押し屋がする説明場面が唐突で、そこの内容自体は面白いのに、いきなりポンとカットを差し込んだ感じ。

「押し屋」がもっと前に出てきても良かったんじゃないかなと思う。

途中まで読んでいて「押し屋」っていうものにずいぶん期待をしてしまったんだろうな。

「こんなにみんなが探す押し屋がこの先出てくるのか!」って感じで。

でも、あっさりなこと自体は問題ないのかも。

「現実は結局こういうものだよ」っていう意味にも受け取れるし、何より重要なのは鈴木だと思うし。

ただ、槿家族が好きだったからかな。

もっと色々とエピソードが欲しかったと思ってしまった。

そっからラストもいきなりなんだよね。

いきなり全てが終わってしまう。

寺原のことも令嬢のことも殺し屋たちのことも。

いっきに終わってしまう。あっけらかんとしてしまう。

いきなり日常に戻される。



そういうこともあって今回は消化不良な感じでした。

ただ、現実と架空の引用は今回もいろんなところで使われてて良かった。

「ジャック・クリスピン」だったり「ガブリエル・カッソ」だったり。

 

特にガブリエル・カッソは、

「ガブリエル・カッソの『抑圧』か。面白そう。あとで観てみよ。」

なんて思い、その後ググって「わー、やられたー」ってなったよ。

架空の話なのね。わざわざ「抑圧」が関連検索に出るくらいみんなひっかかってるよ。



あと、 鈴木の妻の描写は少ししか出てこないのに、それでもかわいいってのが良くわかる。

「ねぇ、これ、食べる気しない?」先ほどまでの堂々たる物言いなど忘れたかのように彼女は、鈴木に言った。

こういうのを読んでやっぱりキャラの作り方が上手いなぁと思った。

キーワードを少しずつ散りばめて印象的な台詞を作るだけでキャラってのは出来上がるものなんだなぁと。



あと子供たちがかわいくて読み終わったあと、「バカジャナイノー」は口に出して言いたくなるよ。

「回送電車はまだ、通過している。」で終わっていくのも結構好きですね

グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
伊坂 幸太郎
角川書店
売り上げランキング: 934
おすすめ度の平均: 4.0
5 最後の1行を読んだ時、もう一度読み返したくなりました
4 人間は虫に近い
5 始めて読んだ『伊坂』作品。
3 不思議な感触
5 うん、オモロ

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ラッシュライフとかオーデュボンの祈りに比べると「陽気なギャングが地球を回す」は安心して読める

サクサクと伊坂幸太郎作品読み進めてきて、映画化もされた「陽気なギャングが地球を回す」読み終わった。

チルドレンみたいにサラッと読めて良かった。

伊坂作品に良く出てくる、人間の悪の部分だけ取り出したような悪役も今回は出なかったし。

(神崎は嫌な悪人で、多分そのポジションなんだけど、他の作品に比べると残虐な感じがしなかった。あんまり表現が出てこなかったってのも大きいかな)

重くなく、サラッと読めて、爽快な感じになる良い作品だったね。

デカイどんでん返しはなかったけど、群集劇の伏線の回収方法は上手いよね。



伊坂作品は設定の奇妙さを特徴にあげられてて、やっぱりこの作品もそうだったりする。

まず、銀行強盗が主役だし。

ここはまぁよしとして、キャラそれぞれが特殊能力を持ってたりする。

普通に考えると現実味ないんだけど、読んでると不自然な感じがしない。

その能力に関係なく話がシンプルに進んで行くからだと思う。

で、その話の方に魅力がたっぷりだから特殊能力なんてもう全然気にならなくなる。

たとえば、現実の引用だったり、架空の引用だったりを混ぜて多用するから現実感に厚みが増す。

で、それはキャラの形作りにも作用していて、特殊能力以外の特徴に目が行くようになる。

キャラの表現方法が多様なんだろうね。台詞回しとか。

冷静で先の先まで見透かす成瀬、口達者な響野、汚れがない動物みたいな久遠、堂々として強気な雪子。

一言で書けばこんなんだけど、実際はこんな表現じゃ全然物足りない。

それぞれのやり取りや台詞、色んな引用で肉付けされてく。



キャラそれぞれで言うと、

成瀬の「人間は行動をする時に『主人』を拠り所にしているから、銀行強盗が仕事をやり遂げるためには『主人』にならなくちゃいけない」ってのはなるほどなって感心した。

こういう言葉からも頭がいいなってのが伝わってくる。

で、とにかく冷静なんだよね。

響野に対して「早く宇宙人が来ればいいな」って言っちゃうとこだとか笑ってしまった。



純粋な久遠もいい。

普通の人間とは違う考え方、感じ方をする。そこがいい。

「神様は人間の犯罪記事を上から眺めながら自分の責任と感じてるのかも」って言っちゃう所は感心しつつも、かわいらしさを感じる。

久遠はかわいらしい。ワースト3がコロコロ変わるところとか、思わずニヤニヤしてしまう。



「いいか、よく聞いておけよ」って大げさな前置きをする響野には大笑いしてしまう。

響野の演説はきっと誰でも聞いてみたくなると思う。

確かに演説をする強盗なんて居たら少しは気が楽になるのかな。



雪子は話の軸になってるから色んな姿が見える。

冷静だったり、強気だったり、でも弱い所もあったり。

雪子のエピソードが軸になってるから、後半に効いてくる。



4人が出会うエピソードも途中で描かれてるのがまた良い所だろうな。

回りくどくなくすっきり説明されてるのが良いのだよね。

他の事件も読んでみたいなって思わせる。



終盤の「君を驚かせたかった」は洒落てるね。

とても気分がいい。

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
伊坂 幸太郎
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2 禅問答?
5 軽快なリズム感
3 ポップ
4 趣向を変えて
5 活きな連帯感がステキ

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『流星の絆』はドラマにしやすそうだな

ドラマ観てからだと先入観出て原作楽しめないから始まる前に友達に借りてきた。

いつも通りの東野圭吾だった。

最初の伏線を最後の最後で回収する。

すばらしいね。

きっと推理もの好きな人は「こんなの後だしジャンケンみたいじゃん」とか言うんだろうけど、

東野圭吾の話ってそういう所を楽しむんじゃなくて、人間の愚かしさとかそういうのを出してきて、

「ね?どう思います?この行動は正しいと思いますか?間違ってますか?」

って投げかけてくる感じが面白い。



今回は功一が探偵役となったわけだけど、

「冷静で知識があって頭が良くて」って、完璧な人間のように描かれながら、

実際は結構抜けがあったってことが後々わかる。

「功一の盲点はここですよ」って最後に書かれてわかる感じ。

そういうところが面白い。



あと、今回は文章の良さって言うよりも、話の流れが面白かったから映像化しやすそうだなって思った。

白夜行のドラマは、「キャラクター」を外側から作ってる所が面白かったのにそれが全くなくて初めのシーンで見限ったけど、これは全く別ものとして観れそう。

静奈は戸田恵梨香だっけ?って思いながら読んでみたんだけど、結構しっくり来たし。

あと、全く共感できないキャラとかが出てこなかったり、最後の終わり方も他の話よりドラマっぽいとことかも映像化の違和感なさそう。



ただ、逆を返すと、気持ち悪さとかそういうのが少なかったのが残念。

悪意 とか容疑者Xの献身とか後味の悪さも東野圭吾作品読む楽しみになってるので。

そういう意味では他の作品に劣るかな。

さっくり読むにはちょうど良い話です。



かなり盛り上がって「もう終わりそう!」ってドキドキしてるのに本の残り見てみるとまだ1/3くらいあって「おぉ、まだ結構あるな」ってなった。

前半の詐欺技術の話も結構面白くてそれが長く続くのかなと思ったら、

案外早く本題に入ってく感じで「あれ?もう本題?」ってなったんだけど、後半が結構色々動くからだったのね。

静奈の心の動きと、それを見守るちょっと頼りない泰輔の感じが好き。

流星の絆
流星の絆
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東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 78
おすすめ度の平均: 4.0
5 まだまだ飽きない
4 最後まではらはらしました。
3 白夜行には劣る
5 帯のバカ〜
3 普通・・・
    $

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    少しでも時間があるのなら「最後の授業」は見るべき

    もし、その少しの時間もないって言うなら、なおさら見た方が良い。

    最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版
    ランディ パウシュ ジェフリー ザスロー
    ランダムハウス講談社
    売り上げランキング: 10
    おすすめ度の平均: 4.5
    5 ■心に響きますね■
    5 メッセージを受け止め、歩き出す
    5 子供に遺したい一冊
    5 彼の生き様が好きだから
    4 最後に残したいもの

    404 Blog Not Found:「最初の講義」 - 書評 - 最後の授業.

    もし本書で泣くのだとしたらそれは死に逝く著者に対する悲しみの涙ではなく、笑い(すぎ)による涙であるはずだ。

    [を] ランディ・パウシュ教授の最終講義の日本語字幕入りビデオが登場!.

    先日このブログで紹介して大きな反響のあった 「ランディ・パウシュ教授の最終講義」[2008-04-01-1] ですが、ついに日本語字幕入りのビデオが登場しました!

     

    この間亡くなったことを知り、そこから遡って色々みて、

    こんなに色んなところで話題になってる授業はどんなものだろうと早速買ってみた。

    そして普段味わえない濃密な時間を得た。

    1時間半もない授業は、とても1時間半なんて短さに感じず、とてもすばらしい授業だった。

    ユーモアに溢れ、笑いなしでは見ていられなかった。

    少し経っては笑い、また少し経っては笑い。

    それを繰り返していたらあっという間に授業が終わった。

    そんな中でいくつもの心に残る言葉や印象を残すプレゼン能力に感動した。

    見ながらすごく笑ってたのに、後半に奥さんに向ける愛情は思わず涙しそうになった。

     

    ユーモアとユニークさは常に持つべきだと感じた。

    楽しさに勝るものはない。

    そして時間は有限だということ。

    こんなに元気な姿なのにもう今はいないというのが信じられなかった。

    今ボクが先延ばしにしようとしてる問題も、

    どうしようかと悩んでる問題も、

    今日このDVDを見たおかげでやる気が出た。

    時間は限られてる。

    だったら今動かないと遅いかもしれない。

    ホントたった1時間半でモチベーションが上がった。

     

    本はまだ半分までしか読んでないけど、

    半分読んでるだけでまた気持ちが良くなったよ。

    すばらしいことだ。

    最後の授業の裏側も書かれてて、

    DVDを見てるときには思いもしなかった本人の気持ちを読んでまたビックリした。

     

    あんまり書いたら動画を見たときに笑いが薄れるけど、

    ボクが印象に残ったことを少しだけ。

    「間違ったことを正されるのは、それだけ期待されているから」

    この言葉が好きです。

    怒られたり、指摘されたりしたら嫌だなって思う。

    でも、この言葉があることで次の状況が変わる。

    その先が見えてくる。

    この言葉というか、これを意味することはよく言われることだから、

    多分前にもどこかしらで聞いてると思う。

    でも、今回はところどころで言い方を変えてこの話が出てきたのでとても印象に残りました。

    そして笑いに混ざってたから。

    授業の中で出てきた言葉を使うと、これも「頭のフェイント」なんだろうな。

    404 Blog Not Found:「最初の講義」 - 書評 - 最後の授業.

    まずは本書をひも解く前に、DVDをご覧頂きたい。

    これはその通りだったね。

    先に本を1ページでも開かなくて良かった。

    動画を見てない人は5ページも開いちゃダメ。

    それだけで笑いと印象が薄れちゃう。


    本の中では、P.114の「コンバーチブルに乗った男」とP.128の「時間を管理する 息抜きをする」が好きです。

    ボクも人生を楽しみたい。

    そう心から思いました。

     

    DVD付きの本を買うべきだなんてことは言わないから、

    これを開いてここまで読んだなら今すぐにでも「最後の授業」の動画を見た方が良い。

    タダなんだし、わざわざ見ない理由は何もないんだから。

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    ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれないが本になるらしいよ

    ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

    すげーね。確かに読んでて面白かったものね。次はまだかねって。

    プログラム系やったことある人だと想像できるから面白い。

    作り話かもしれないけど、次から次へと繋がるドラマ感が面白かったなぁ。

    後輩に見せるために買おうかな。

    モチベーション上がるし。

    会社の経費で買ったら怒られるかな。

    リンク: ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない まとめ 書籍化:ハムスター速報 2ろぐ.

    第一部
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-217.html
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-218.html

    第二部
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-223.html

    第三部
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-224.html

    第四部
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-239.html

    第五部
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-242.html

    完結
    http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-243.html


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    「重力ピエロ」読むと家族っていいなって思える

    春がめちゃくちゃかっこいい。

    twitterを見てたまたま読み始めた本だけど、
    あとあとアヒルと鴨のコインロッカーの人の作品だと知った。
    活字の本読むなんて昔はなかなかなかったから有名でも知らないものです 。

    話は推理と心理ドラマと芸術感を織り交ぜたような感じ。
    主人公と、その弟の春、病気の父親に、かっこいい母親、そして胸糞悪くなる悪役。
    主人公は春のことがとても好きで、その春のために悪役を追い詰めようとしている。
    それが主軸。そこに、街で起きている奇妙な連続放火の話が加わる。
    思い出話が広がって全ての事件が解決する。すっきりする。

    初めてこの人の小説を読んだだけあって不思議な感じだった。
    すごい短い短編が繰り返され、そこで主人公とその弟の春の思い出話などが淡々と書かれていく。
    そうやって春のキャラクターが作られていく感じ。

    主人公の弟への尊敬や憧れの気持ちがすごく伝わってくる。それに愛情も。
    物語の主軸が、春のために行動を起こそうとする主人公の姿だから、
    なおさら春への思いを感じる。

    行動自体は悪いことなのに読んでて良い気分になるのは、
    家族の繋がりがとても強く書かれているからだろうな。
    素晴らしい。ホントに素晴らしい。
    こんな家族はいいなって思う。

    最後のシーン、父親の、
    「俺に似て、嘘が下手だ」
    の一文は感動してしまった。

    かっこいいってのは、こういう何気ない一言が自然に言えるかどうかなんだろうな。
    ホント最強の家族だ。

    重力ピエロ
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    伊坂 幸太郎
    新潮社
    売り上げランキング: 85350
    おすすめ度の平均: 4.0
    3 テレビドラマ
    3 若い人には受けるかのかも
    4 親子、兄弟の絆>ミステリー
    5 伊坂ワールド、もう少し知りたくなりました。
    2 期待外れ

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    Mac使いじゃないけど、「偶像復活」を読んでスティーブ・ジョブズを尊敬した

    リンク: Life is beautiful: スティーブ・ジョブズ・偶像復活.

    【追記】ちなみに、この本は、アップル側が出版社に対して出版の停止を求め、それに応じなかった出版社への制裁としてその出版社が発行している全ての書籍をアップル・ストアから撤去した

    もともと、このエントリ見てからずっと読もうと思ってた本。

    「面白くて一気に読んでしまうってどのくらいのものだろう」って気になってた。

    Amazonのカートに入れっぱなしになってたんだけど、なかなか買うまでいけず、

    そしたらたまたま本屋で見つけたのを機会に衝動買いしてしまった。


    僕自身は全然Macを使わないんだけど、すっごい楽しめた。

    小さい頃の話から始まってグイグイ引き寄せられるくらい面白い。

    いろんな事件がどんどんどんどんつながっていく感じ。

    裏を返せばスティーブ・ジョブスの周りにそれだけワイドショー的な要素があるってことなんだろうけど。

    ただ、そのせいで時間軸がごちゃごちゃしてしまってるところもあり、

    この著者の書き方に違和感を感じた。

    最後に時間軸に沿った表が欲しかったな。

    全然知識なしで読んだ感想から言わせてもらうと2回以上読まないとつながらないかも

    「遡って」とか、「こういう記事もある」みたいな言い回しが多かったせいもあって「いつの話だ?」ってなってしまったのがちょくちょく。

    #僕が伝記物を読みなれてないせいもあるのかもだけど。
    #それと外人の名前が覚えられなかったから再登場とか気づかなかったり。。


    スティーブ・ジョブスが怒るのもわかる気がする。

    本人を描いてしまってるから「キャラクター」として作ってるようにも読み取れるんだよね。

    本のとおり「偶像」として作ってる感じ。

    だから「またまたぁ」とか「それは言いすぎじゃね?」とかそういう半信半疑の気持ちで読みました。

    でも、人事なり、その当時のニュースなりがあるからホントの面が多いんだろうな。

    実際、PIXARとディズニーの揉めてた事件は記憶にもあったし。

    まさかスティーブジョブスが当事者だったとは思わなかったんだけど。

    そういえば、この本を読んで初めて「PIXAR」のロゴにランプがある意味を知った

    それだけでも僕の中で本を読んだ価値が十分にある。


    あれだね。

    スティーブ・ジョブスは僕のイメージと全然違った。

    読む前は「すごいパフォーマンス能力があり、デザインセンスがある人」って感じだったんだけど、

    読んでみたら職場にいる思いつきで仕事を進めちゃう上司くらい適当な人だった。

    人の成功を自分の手柄にしちゃうことが何度あることか。

    でも、やっぱりすごいんだろうなって感じた。

    そういう適当な部分がありながら、それをどうでもよくしてしまうほどのカリスマ性がある。

    そう感じた。

    パフォーマンス能力とデザインセンスについても間違いなくあるんだろうな。

    そしてかなりの運も。

    読んだら仕事のモチベーションがあがった。

    仕事してて上手くいかないことがあっても、

    それが何かの成功につながるかもしれないんだからと。

    スティーブ・ジョブズ-偶像復活
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    東洋経済新報社 (2005/11/05)
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    4 抵抗できない現実歪曲空間
    4 著者の書き方が気になる・・・
    5 「伝記」として読まさせてもらいました

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    会社から早く帰ってまで読んだ『鹿男あをによし』

    すぐ読んだ。

    表紙見て『鴨川ホルモー』の人だって気づき、購入。

    前回が京都で、今回が奈良。

    やっぱり不思議な話を上手く作るなぁって思った。

    前回の鴨川ホルモー同様に、「人間がいて、その周りには不思議なことがおきてるんだよ」って話。

    でも、この人の話の上手さはそこだけでなく、話に恋愛を絡めてるとこ。

    読み終わると「恋愛小説だなぁ」って思っちゃう。

    モロに恋愛があるわけではないんだけど、

    出てくる女の子のキャラが良い。

    そのキャラの全体を最後まで隠してるのもまた良いんだと思う。


    話は主人公が研究室から追い出されて女子高の先生になるところから。

    いきなり変な生徒と仲が悪くなって、それをどうにかしようとまず悩む。

    悩んでるうちに不思議な鹿が現れて悩みが増える。

    こっから一気に話が広がって、わけもわかんないうちに大事な役目を頼まれることに。


    この辺がポンポンと進むので一気に半分くらいまで読める。

    で、前回の鴨川ホルモーとおんなじように半分くらいで「これ話終わるじゃん」って思える。

    だからキリいいとこまで読もうと思って読んじゃう。

    そうすると結局最後まで読みきってしまうと。

    4章まであるんだけど、3章だけやけに長くて、他の3つがやけに短いのよね。

    章のタイトルが暦の名前になってて、で、内容とリンクしてるのでそんな作りになってる。

    それがまた最後まで一気に読んじゃう理由なんだと思う。

    読んでいけば3章が一番の盛り上がりだってわかるんだけど、

    それでも「長いぞ?なんでだ?4章ちょっとしかないのか?どうなるんだ?」ってなる。


    前回もそうだったけど、この人の小説は読んでるとその土地に行きたくなる。

    おとぎ話みたいだから実際に行ってみてどうなってるか見たくなるのよね。

    小学生くらいでも読めそうでいい。

    鹿男あをによし
    鹿男あをによし
    posted with amazlet on 07.06.12
    万城目 学
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    5 1800年のロマン「ス」・・・!?
    5 どこはかとなく、面白い!
    5 関西には神話が似合う

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    文字だけで魅せる『悪意』はすごいなと感心

    東野圭吾を遡って色々読んでるけど、『悪意』は面白かった。

    全てが手記や独白で語られていて、初めは違和感があるんだけど、

    そうやって描かれてる理由が真実を隠すためだと途中でわかる。

    ただ、それがわかった後に先を考えながら読み進めていくんだけど、

    ここでまた違和感が出る。

    小説の半分もいかないうちに事件が終わってしまう。

    あれ?ってなる。

    伏線があって、それを回収して事件の全貌が見えたって思うのにまだ半分も残ってる。

    ここから新しい話が始まる。

    読者がするであろう勘違いを主役の加賀が説明し、

    加賀を小説のイチ読者として見せてるのが上手いなぁと思った。

    先読みしようとするんだけど、それが真実なのかどうなのかわからない。

    被害者の日高のイメージが二転三転する。

    同時に野々口のイメージも二転三転する。

    最後の真実は途中で予測がつくかもしれないけど、

    一番重要なのは「何でそんな間違った先入観を持ってしまったのか?」ということ。

    加賀にそれを説明された時に、「あぁすごいわ。これは。」って思った。

    手記の内容の一つ一つに説明が付けられていながら、

    全然触れられない内容が最後まで残る。

    「全く関係ないなんてことないよな?」

    って思いながら読み進めた最後の最後での加賀の説明。

    「そのための伏線なのか。」と納得し、感心した。

    すごい。

    結局、生きている日高は出てこないんだよね。

    そこが一番重要ということを思い知る。

    日高は外側からの描写しかない。

    だから小説独自の面白さが出ているんだなと思った。

    悪意
    悪意
    posted with amazlet on 07.02.25
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    4 壮大な悪意
    3 悪意のわりにさっぱりした読後感
    4 まぁまぁ

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    『容疑者xの献身』を読んで次の日会社寝過ごした。

    寝る前にちょっとだけ読んでから寝ようとしたんです。

    半分読んでないくらいだったし、

    ホントにちょっとだけ読んで寝ようかなって感じだったんです。

    でもですね、読み進めていったらどんどんはまってしまい、

    結局最後まで読んでしまったと。

    気づけば午前3時過ぎ。

    その前の日も同じくらいまで起きてたせいで次の日寝過ごしてしまいました。


    何が面白いって、やっぱり話の流れの上手さです。

    主人公の一人の湯川の推理に乗っかっていくと犯人のトリックに確かに気づけるんです。

    トリックが最後まで説明される前に話の全部が見えた気になる。

    最初からの伏線に気づき、思わず読み返したりして、

    「うわぁこれはすごいや・・・」

    って素直に感心する。

    でも、それで話が終わらないんですよね。

    まだページ数が結構ある。

    「何が続くんだろう?」って読み進めていくと、

    その後に犯人の行動と頭の良さに改めて感心してしまう。

    鳥肌立つくらいの感動でした。

    そこまでは読めなかった。と言うか、見事に作者のリードに引っかかった感じ。

    途中にヒントは散りばめられてるんです。

    読みながら犯人像のおかしさに「あれ?」って違和感もでる。

    でも、それを深く考えさせる前に違う部分に惹きつけられてしまう。

    だから、その違和感が薄れてしまう。

    「一貫性のない描き方してるなぁ」って途中途中感じるのだけど、

    それは自分の間違いだったんだと最後まで読んだ時に気づく。

    その辺がすごいと思う。


    他の作品にも言えることだけど、この作者の理系部分の話は好きですね。

    主となる部分と別に理系の知識がところどころ入ってそれが上手くあってる。

    専門的な話になってるからわからない所もあるのだけど、

    それを話の流れで理解させてくれる。

    そしてホントに「ハズレ」っていう作品がない。

    ジャンルは違っても全部中身が面白いですね。

    今回の『容疑者xの献身』を読む前に湯川が出てくる第一作『探偵ガリレオ』を読んだけど、

    これはこれで短編集になってて面白かった。

    サクっと読める感じがいい。

    次は二つの間の作品にあたる『予知夢』かな。


    容疑者Xの献身
    容疑者Xの献身
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    東野 圭吾
    文藝春秋
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    5 素晴らしい。一気読み&電車乗り過ごし
    5 すごいよ東野!
    5 内面にある行動の価値基準
    探偵ガリレオ
    探偵ガリレオ
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    東野 圭吾
    文藝春秋
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    おすすめ度の平均: 3.88
    4 ハイテク殺人を解く物理学探偵の話。暇つぶしに好適。
    3 ???
    4 湯川と草薙

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