「重力ピエロ」読むと家族っていいなって思える
春がめちゃくちゃかっこいい。
twitterを見てたまたま読み始めた本だけど、
あとあとアヒルと鴨のコインロッカーの人の作品だと知った。
活字の本読むなんて昔はなかなかなかったから有名でも知らないものです 。
話は推理と心理ドラマと芸術感を織り交ぜたような感じ。
主人公と、その弟の春、病気の父親に、かっこいい母親、そして胸糞悪くなる悪役。
主人公は春のことがとても好きで、その春のために悪役を追い詰めようとしている。
それが主軸。そこに、街で起きている奇妙な連続放火の話が加わる。
思い出話が広がって全ての事件が解決する。すっきりする。
初めてこの人の小説を読んだだけあって不思議な感じだった。
すごい短い短編が繰り返され、そこで主人公とその弟の春の思い出話などが淡々と書かれていく。
そうやって春のキャラクターが作られていく感じ。
主人公の弟への尊敬や憧れの気持ちがすごく伝わってくる。それに愛情も。
物語の主軸が、春のために行動を起こそうとする主人公の姿だから、
なおさら春への思いを感じる。
行動自体は悪いことなのに読んでて良い気分になるのは、
家族の繋がりがとても強く書かれているからだろうな。
素晴らしい。ホントに素晴らしい。
こんな家族はいいなって思う。
最後のシーン、父親の、
「俺に似て、嘘が下手だ」
の一文は感動してしまった。
かっこいいってのは、こういう何気ない一言が自然に言えるかどうかなんだろうな。
ホント最強の家族だ。
新潮社
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