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1万円札の指輪は流行っても良いと思った『虹の女神』

Rainbowsong 観てきましたよ。岩井俊二プロデュースの虹の女神。

今回の映画も良かった。

空気がとても。

いつも思うけど、岩井さんの空気感作りはとても上手いと思う。

シリアスな中に笑ってしまう雰囲気を出すのが上手いなぁと。

ギャグとかコメディで笑わせるんじゃないんだよね。

日常の中で思わず笑っちゃう瞬間ってのは誰でもあるわけだけど、

それを映画として表現している所がすごい。

バツイチのとことか、さぼてんの棘が指に刺さるとことか思わず笑ってしまった。

そして小道具の上手さが抜群。

花とアリスの時にも「おにぎりサンド」や携帯の着信音に感心したんだけど、

今回もまた感心してしまった。

1万円札の指輪とか、着信の時のハートの光とか。

「よくこういうの思いつくなぁ」ってただただ感心。

オーソドックスな話と言うか、「日常のあるひと時」ってのを描いている話って、

たまに退屈しちゃうようなものもあるけど、

こういった小道具みたいなものを散りばめられるとそれだけで話の深みが変わってくる。

話の全体に影響するんだよね。


みんな普通に生きていて、人生ってとても長くて、

「その中で1週間分を切り取って観てみる」

なんてことやっても大した話はできないよって思うけど、

それを映画にしちゃうのが岩井俊二のすごいところだなぁって思う。

確かに話の核となる「ある出来事」は存在しているんだけど、

それをただ点として表現するんじゃなく、

「日常の流れの中でそれが作られているんだ」

って線で表現されている感じ。

そのために日常のさまざまな話も小道具として表現しているのかなって。

そんな風に感じる。


そして演技している人たちがとてもすばらしい。

『リリイ・シュシュのすべて』の時の市原隼人がとても好きで、

最近のかっこよいイメージのある市原隼人は全く好きになれなかったし、

上野樹里も最近のイメージがあってイマイチ好きになれなかったんだけど、

映画の中の2人を観てるとそんなの一気に吹き飛んだ。

イメージで判断しちゃいけないんだなって思った。

上野樹里はさばさばした男女みたいな役を見事に演じきってたし、

市原隼人は優柔不断のダメ男を見事に演じてた。

「あぁ、2人ともすごいなぁ」って素直に感じました。

そのくらい入り込めた。

映画見たら確実に高感度あがりますね。


短編に分け、少しずつ智也とあおいの関係を表現されているから、

はじめの核心が大きくなって結末を迎える。

智也が昔を思い出しているように話が進み、

最後に智也の実感とともにエンドロール。

エンドロール中も智也とあおいが丁寧に描かれているような感じなのが良かった。

カメラマンだった篠田さんへの岩井さんの想いも含まれてるのかなって思った。


智也の優柔不断な気持ちとかをもっと描いてくれた方が、

個人的には最後の智也をリアルに感じられたかな。

前編から中編にかけてはすごい良かっただけにそこが残念。

短編で全然話が長く感じられなかったからもっと長くしても良かった。

でも、映像の良さとか演技とかそういうのがとても良かったので☆5に近い☆4。

また好きな映画ができた。

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