わけわかんなくて読み返してしまう『虹ヶ原 ホログラフ』

虹ヶ原 ホログラフ

posted with amazlet on 06.07.27

浅野 いにお
太田出版 (2006/07/26)

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すげぇな。

なんだこれ。

わけわかんない。

で、気持ち悪い。

でも、読み返してしまうよ。面白いよ。

「俺のマンガ面白いだろ。へへへ。こんなわけわかんないのが流行りだろ？」

みたいに描いてるって言われそうなマンガだけど、

何か全体通して見るとボンヤリとしたものが残るね。

んで、確実に「おまえら気持ちが悪い」ってのが残る。

そして読み返してしまう。

サラッと読んで終わりにしてしまおうと思ったんだけど、

ループの意味を考えてしまって読み直してしまうんだよね。

「ある少女と7人の村人」

7人って誰だよ？って。

そんな感じで、

この絵の意味は何？この台詞の意味は何？

って思っちゃうと、全体図を頭で描いて時間軸を作り出そうとがんばってしまう。

わざとわけわかんなくボンヤリさせたマンガとかだとその行為自体が無駄な感じだけど、

これはそう考えることに意味ありそうな印象を受けるんだよね。

だから考えてしまう。

そう思わせる才能はすごいなと思う。

同作者の『ひかりのまち』か『素晴らしい世界』のどっちかでは上の印象をちょっと受けたんですよね。

「このマンガわかりにくくて、そこがオシャレでしょ？」

みたいな。

でも、今回はそういうのを思わせないくらいの力を感じを受けました。

ぁ、でも古谷実好きの人は受け入れないかもしれないですね。

パクリみたいに感じるところがあるかも。

全然パクってる感じはないけど、そう感じるかも。

似てるようで正反対な感じがするから嫌悪感受けるんじゃないかなって思う。